現場でシミ抜きガンを使用する際、色がうまく抜けなかったり、逆に周囲ににじみが発生してしまうケースがあります。以下は、実際のご相談事例をもとに整理したQ&A形式の実務ガイドです。
シミ抜きガンを使用したところ、色はあまり抜けず、周囲に変なシミができてしまいました。なぜでしょうか?
原因は一つに断定できませんが、主に以下のケースが考えられます。
- 生地の染色方法の違い
- 反応染め、分散染め、顔料染めなど、染色方法によって薬品への反応が異なります。
- 同じ薬品でも、生地によってにじみ方が変わることがあります。
- アセトン+残留インク+染料の化学反応
- 完全に除去されていないインクがアセトンと反応し、再にじみを引き起こします。
- 同時に、生地の染料と化学反応を起こし、黒ずんだ二次シミが発生する場合があります。
必ず作業前に目立たない裏面部分でテストを行ってください。
アセトンをかけると黒いシミは消えますが、乾くとまた出てきます。なぜでしょうか?
生地内部に残留インクが残っているためです。
アセトンは一時的にインクを溶かし、拡散させます。
完全に除去されないまま自然乾燥すると、インクが再び表面へ移動し、シミとして再発します。
つまり、
✔ インクが完全に除去されていない
✔ 乾燥が遅れ、拡散してしまった
この2点が主な原因です。
にじみを最小限に抑えるための正しい除去方法は?
ポイントは「完全硬化後に除去する」ことです。
実務では以下のように対応します。
- インクを完全に硬化させた状態で除去
- 半乾きの状態で除去しようとすると、かえって広がります。
- 「溶かして拭く」のではなく、**「固めてから剥がす」**というイメージです。
- 除去直後に即乾燥
- ヘアドライヤーなどですぐにアセトンを蒸発させます。
- 自然乾燥はにじみのリスクが高まります。
- 境界にじみの対処法
- アセトンにじみの境界部分へ再度シミ抜きガンを少量塗布
- 迅速に処理し、すぐに乾燥させます。
トレーナー(スウェット)でも作業して大丈夫でしょうか?
Tシャツよりも厚手の生地は、インクがより深く浸透している可能性があります。
そのため、必ず以下を行ってください。
- 内側の縫い代部分でテスト
- 同素材の端布で事前練習
- 少量テスト後に本作業へ移行
を推奨いたします。
現場まとめポイント
- シミの原因は単一ではない
- インクは「溶かす」のではなく「完全硬化後に除去」
- アセトンは必ず即乾燥
- にじみ境界は再処理+迅速乾燥
- 必ず事前テストを行う
シミ抜きガンは非常に有効なツールですが、使用方法によって結果が大きく左右される機材です。
実務では、事前テストと練習によって感覚を掴むことが最も重要です。





